夜間特別行動隊。

全国各地で活動するその組織の全貌は闇に包まれているが、噂によれば隊の任務は繁華街のパトロール、夜間外交、隠密行動と多岐に渡り、一見すれば美味しい料理を食べながら単に飲んでいるだけ、或いは夜の美女達に弄ばれ鼻の下を伸ばしているだけにも見えるのだが、それは全て仮の姿であり、日頃の訓練の賜物。

友人や家族にすら隊員である事実を隠し、日々厳しい任務に挑み続ける隊員をバックアップする装備の一つがこの昭和九十八年式装備である「貴重品袋」だ。

正面中央には、一見旭日旗にも見えるホタテと杯のシンボルマークが神々しく輝く。

袋のスペックは読んで字の如く任務に必要な財布、スマホをはじめとする貴重品は勿論のこと、交渉任務に欠かすことの出来ないホストやキャバ嬢への高価な賄賂を持ち運ぶのに最適なサイズ。

余計なポケットは無く、一般業者が大量生産するトートバッグよりも少しだけ強度がありつつ、ハードな場面での使用は全く想定していないのが潔くまた謙虚である。そして何より裏面に配す「隊員十訓」が隊員としての誇りだ。

用意するカラーは、各隊員の任務に合わせて五色を展開。

この誉れ高き隊の一員に加わるには税込三三〇〇円が必要となるが、この日本国における隊の重要性を考えれば、そんなのタダみたいなものだ!

迷う事なかれ!
あなたも今夜から誉れ高き「夜間特別行動隊」の一員になって欲しい。